ACTON HILL

ACTON HILL

ロンドン地下鉄 Acton Town駅 (Piccadilly / District Line)

2006年にThe Whoは新作を出し、2年間にわたるワールドツアーを開始した。しかし、大々的な動きはそれだけではなかった。公式サイトのアーカイブがなくなり、ツアー用のサイトやライブ中継が新しく始まった。Peteの個人的なページも紆余曲折を経て、2007年にはブログ形式となっている(2007年4月現在)。そのブログもファンがコメントを投稿できるものと、そうでないものに分けられ、コメント可能の方には書き溜められていた自伝が順次連載されている(PETE TOWNSHEND THE BOOK)。

英語がネイティブでない者にとってはクラクラする程の量となっている自伝。1章の1から読み進めてみると、かなり詳細に綴られていることが分かるだろう。ここでは、その中で触れられているPeteの一番古い記憶、Acton Hill周辺の現在をレポートしてみる(二重括弧『 』で引用している日本語部分は、姉妹サイトThings He Said Todayから)。


舞台はActon Hill。
ロンドンの地下鉄Acton Town駅からGunnersbury Laneを南へ7、8分歩くとActonの大通りにぶつかる。そこを右に曲がり100メートル程行けば、坂の上に立つことができる、そこがActon Hillだ。左手にあるバスの車庫の壁には、現在ルートを管理しているFirst社と並んでPeteが自伝に書いている路面電車(トラム)時代の名前も残されている。

『私は1945年5月19日に生まれた。ガタガタと揺れる古い路面電車のような乗り物のデッキに乗り、上部がわずかにカーブを描いている最前列に座っていた1947年よりも少し前のことだ。母と私は西ロンドンのUxbridge RoadにあるActon Hillの最後部にあるTerminusに乗った。』




『路面電車は車庫から素早く出て急に右に曲がり、目のくらむほどの高い地点で短い間赤信号に止まった後、勢いよく下へと降りていった。私達はこの先の私の人生で重要な意味を持つことになるいくつかの場所を通り過ぎた。丘を半分降りたあたりの右手にあるのは私の父が初めて出したレコードが1955年に売られた電気店だった。その向かい側、道の左手には私が17歳だった1962年に初めて本格的に酔っぱらったWhite Hartパブがあった。後にThe Whoへと進化を遂げるスクールバンドThe Detoursとして週1回の契約で出演していた頃のことだ。丘のふもとの左側には犯罪捜査部に私の母の大ファンがいる交番があって、将来私はそこにスイミングプールの外で盗まれた自転車を受け取りにいくことになるのだった。』

残念ながらレコード屋は、もうないようであった。そしてPeteも過去形で書いているように、1960年代初頭にたくさんのライブを行ったWhite Hartパブも今は姿がない。次の2枚の写真はActon Hillを下から撮影したもの(Peteの描写と逆の風景)と、かつてWhite Hartがあったと思われる場所。Peteの母親の大ファンがいた交番は、おそらく左写真の右端あたりになるのだろうか……。



『路面電車は丘を降り切ると少し止まり、その左手には大きな金物屋Pooresがあった。(***中略***)路面電車の運行は1874年から始まっており、最初は馬が引いていた。その頃既に馬車があり、Uxbridge Roadの上り下りをせっせとこなしていた。1764 年に交通がスタートした駅馬車はロマンチックな「アクトン・マシーン」という名で呼ばれた。だが路面電車は1936年にアクトンヒルの頂上から走るのをやめてしまい、その後トロリーバスが取って代わった為に、私自身の路面電車での旅の思い出は欠けたものになっている。欠けていたとはいえ ? 当時たった2歳だったのだから無理のないことだが ? 決して夢ではなかった。
私の夢の多くはこれらの場所で始まった。アクトンパークの隣にあるアクトンマーケットはメインストリートの奥に入ったところにあった。その通りはActon High Streetといい、1961年に私はこの場所で自分が子供から大人へと変化を遂げたと自覚した。(***中略***)私はActon High Streetにある全てのビルの屋上がどのような構造になっているか全て完璧に覚えているので、時々夢にこの通りを歩いているシーンが登場する。最近、ここに書いていることを勝手に頭の中で作り上げていないか確認する為にこの通りをもう一度歩いたことがあった。思った通り、小さい部分では多くの変化があったとはいえ、建物は私が子供だった頃と全く同じままだった。』

「HIGH STREET」の看板は、Acton Hillを下りきったところのものを撮影した。Acton Hill(車庫の向かいのバス停から)207番のバスに乗れば、そのまま大通りを西へ走りShepherd's Bushに行くことができる。バスから眺める風景、通りの名前からは、1960年代初期のThe Who(The Detours / High Numbers)を感じることができるだろう。通りを一本入ればPeteが幼少期を過ごした家があり、通りを二本入ればRogerの家がある…。Peteの自伝が完結するのが楽しみだ。


(2007/04/21 b-ko / 翻訳部分 yukie)

参考サイト
・ Peteの自伝掲載ブログ: PETE TOWNSHEND THE BOOK


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