THE JOHN ENTWISTLE COLLECTION

Johnの遺品がSotheby'sのオークションに出された…

ロンドン地下鉄 Kensington(Olympia)駅(District Line)

flyer
2003年5月13日(火)、ロンドンのOLYMPIAにて「THE JOHN ENTWISTLE COLLECTION」(Sotheby'sのオークション)が開催された(左写真:フライヤー)。そして、それに先駆け、オークションにかけられる品々が4日間(5月8、9、11、12日)にわたって公開された。オークションそのものに参加するという大それたことは私にはできないと思い、せめてモノだけを見ようと、その一般公開(展示会)へ行ってみた。
3日目にあたる5月11日に行ったのだが、日曜日にもかかわらず、会場には数人しかいない。会場時間(正午)すぐだったためだろうか。または、みんな、15時からで行われるMatt Kentの解説に合わせて足を運ぼうと考えていたのか。

会場は広いフロアー。その階に行くのに使ったエレベーターの正面に受付があり、Sotheby'sのカタログがバックナンバーも揃えて販売されていた。今回のカタログ(10ポンド)はネット通販していたもので見ていたが、受付のサンプル本以外、見当たらないのだ。スタッフに聞いてみると、すでに売り切れたそう。“会場に足を運んだ者が買えないなんてありえない”、と思っていた自分の甘さに気がついたが遅かった。無いものは無いのだ。このような冊子は再版なんてありえないし…。仕方がないので、カタログ(文字情報)がコピーされた簡易冊子を2ポンドで購入(右写真:左の冊子)。

受付から右に広がる会場に入ると、まずはJohnが2002年のUSツアーで使用する予定だったベースとそれを納めたキャスター付きケースがあった。スタッフに声をかけると、引き出しからベースを取り出し、手にとらせてくれ、「試しに弾いていいよ」と素っ気なく言ったのだ。オークションに出されている品に、そんなに簡単に触れるなど想像もしていなかった私にとっては、のっけから凄い衝撃だった。過去に2年程ベースをやっていたからといって、上手くやれるわけはない。厳粛な会場の雰囲気と彼のベースだという重みで緊張していた私は、弦を数回押さえただけでケースに戻してしまった。

心を落ち着け、次に進む。壁にはゴールド・ディスクやポスター、Johnが描いたアーチストの絵が掛かっていた。Johnのオフィシャル・サイトやツアーグッズのポスターで見たことあるものも多数あった。Jimmy Page、Eric Clapton、Jimi Hendrix、Rolling Stones…同世代を描くのが好きだったのかもしれない。

そして壁ぎわには、鉄棒の洋服掛けかっかた服が並んでいた。一枚一枚手に取って見ると、その服を着ていた時のJohnの表情が思い出され、辛くなってきた。たくさんの笑顔もあるのに…。その近くではスクリーンにThe Whoの映像が大きく映し出されていた。

そこから左に広がるスペースには、これがメインのギターコレクションがずらりと並んでいた。私が会場入りした時間からずいぶん経ち、人も増えてきたので、なんとなく会場の雰囲気も柔らかくなってきた。ギターを手にプレーをする者もいれば、本当に値踏みにきたプロ(バイヤー)もいる。思いつめた目や、真剣な目。誰がどんな目的できてるのかは大抵見当がつくものだ。ギター・コレクションほどファンが見たいと思うものはないと思うが(実際私もそうだが)、残念なことに楽器の知識が乏しいあまり、有意義な観賞をすることができなかった。わかるのは、「あのライブで持ってたのはコレかな?」とか、そんな程度である。カタログは持っているので、いつか詳しい方に尋ねてみたいものだ。

ギター・コーナーが切れた辺りには、他の楽器や小物が展示されていた。例えば、Johnがレコーディングでもよくやっていた金管楽器類。特にホルンはJohnらしい楽器なので、かなりの人が試し吹きをしていた。何か自分も手に取ってみたいと思ったところ、近くのガラスケースの中にフルートがあったので、スタッフに出してもらい吹いてみた。長年手入れをしていない代物だったが、きれいに音を出すことができた。

そのガラスケースの並びで一番私の目をひいたものもは…時計でもブーツでも指輪でもなく…近年Johnが愛用していた骸骨の手をデザインしたギター・ストラップだった。The Whoのオフィシャル・サイトなどで見たリハーサルでもJohnは確かにそれを付けていた。持ち主がいなくなってしまったストラップを見ると、なんだかJohnの死が急にリアルに感じられてしまった。

そしてこのオークション会場の奥のスペース全てを埋め尽くさんばかりに飾られていたのが、等身大の魚のフィギュア。何匹もの大魚が壁に掛かっていたのには圧倒された。これはJohnが実際に釣り上げたものから型を取って作られたらしい。しかし、こんなにたくさんの大魚のフィギュアをしまっておいた家を想像するとおそろしい。

これが会場にあった大体のものの様子である。カタログが売りきれとあって、3日目からは(個人の情報として扱う範囲での)写真撮影が許可されていたが、そんな時に限ってデジカメの電池が切れていたりと、その日の私は不運だった。その代わりに、しっかり目には焼き付けてきたつもりだが…。なんにせよ、オークションで世界に散らばってしまう前に、Johnのコレクションを見れたことは本当に幸せだったと思う。今、あれらはどこの誰の手にいったのだろうか…。

(2004/06/11 b-ko)


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