2006.07.06 LIVERPOOL SUMMER POPS 06

[Setlist]
I Can't Explain / The Seeker / Anyway Anyhow Anywhere / Who Are You / The Kids Are Alright / Behind Blue Eyes / Real Good Looking Boy / Drowned / Mike Post Theme / Baba O' Riley / Love Reign O'er Me / You Better You Bet / My Generation / Won't Get Fooled Again

(encore) Substitute / Pinball Wizard / Amazing Journey / Sparks / See Me Feel Me / Listening To You 


昨夜は思いのほか良く眠れ、朝食サービスの時間帯にホテルのレストランバーへ降りて行くことができた。今回Liverpoolで選んだ宿は、ロック宿。バーにはハードロックカフェを連想させるようなポスターや写真がたくさん貼ってあった(もちろん高級メモラビリアはない)。せっかくの想い出にと、私はPeteがジャンプしている写真の前のテーブルにつき、フル・イングリッシュ・ブレックファストを楽しんだ。
何ヶ月も前に買ったチケット。永遠にやってこないのじゃないかと思っていた7月。それなのに、あっという間に今日が最終日である。



色々な思いを胸に、少しばかりLiverpoolを散策した。やはり、私にとってこの街は「The Beatlesの街」なのだ。
Liverpoolと言えば(?)、ご当地新聞「Liverpool Echo」!ということで、さっそく昨日の記念に数部購入した。一部40p(約90円)。お土産には最適である。残念ながら表紙は飾れなかったものの、中を開けばカラーでドーンと載っていた。文化面のライブ評でも10/10点だった。Liverpool EchoはRogerとPeteも目を通したらしく、ステージでネタにあげていた。10点満点にはご満悦。そして、衣装についてのコメント(「彼らはもうドレスアップはしない。(オシャレな)モッズ(Mods)ではなく、(普通の)男たち(bods)だ」)には、Rogerがおどけて「またフリフリの着ろって言うのかよ?」みたいな反応をしていた。そんなこともあり、ライブ前に新聞に目を通しておいてよかった、と後から思った。

この2日間は晴れはしなかったが、なんとか曇りのまま天気はもった。今日は早めに会場には行かず、昼過ぎに昨日再会した友達のホテルを訪れ、その後は開演ぎりぎりの時間までずっとそこで待機していた。

今夜も前座のCasbah Clubは熱く、会場を十分に温めてくれ、その役割を果たしていた。今夜のステージが『IN THE ATTIC』の後にThe Who TVで生放送されていたというのは、SimonのMCで初めて知った。時差はあるけれども、少しでも多くの日本人がCasbahの演奏を体験できてればいいな…と思った。本当に来日を願うばかり!

そして、The Whoの登場。私の席は昨日の真反対、Pete側で少しステージに近めのところ。左右が逆になっただけで、また違った雰囲気がある。
ふとRabbitを見ると、キーボードの後ろのところにビデオカメラをセッティングしていた。今夜のステージも自分で撮影するようだ(UKツアーの何ステージかはすでに編集され、Rabbitのウェブサイトにアップされている)。

先述したように、まずはLiverpool Echoについてのトークが入り、出だしからMCの多めな印象を受けた。 PeteとRogerのオーディエンスへの話しかけ方、オーディエンスの反応……その感じから判断するに、おそらくこの2日間のオーディエンスは8割がかぶっているだろうと思った。両日ともチケット発売開始10数分で完売。しかもUK&EUツアー唯一、同会場での連日ライブとなれば、両日おさえている人が大半だろう。もちろん、私もその1人に含まれ、2公演も見られることを幸せだと思っていたが、それはそれでマイナス面があることに後で気がついた。というのも、2日目であるがために、冷静にステージを見てしまったから。フィーリングだけに身をまかせることができず、分析モードが多少なりとも入ってしまい…。セットリストもPeteのアコースティックセッションの1曲が変わっただけなので、どうしても曲進行を昨夜の興奮を比べてしまう。初日のマジックのすごさにはかなわなかった。たぶん、オーディエンスだけでなくステージのメンバーも同じ感じだったのではないだろうか。このLiverpool Day 2に関しては、PeteもRabbitも、Atticの同行スタッフも日記で言及していないし、特別なレビューも見かけない。

そんな中、ステージに見入るだけなく、じっくりと周りのオーディエンスも観察してみた。昨日同様、40歳前後のファンが一番多いだろうか。そして(ファン同士だと思われる)カップルの多さにも気がついた。「ずっと一緒にThe Whoを聴いてきたのかな?いいな〜」と、The Whoの音楽と共に歩む人生を想像してしまったりした。一番印象的だったカップルは、Elvisもリアルタイムで聴いているだろう年代の老年カップル。「Real Good Looking Boy」の「But I can't help falling love with you (でも、君と恋に落ちずにはいられないんだ)」というところで、笑顔で抱きしめ合いながら歌っていた。

今夜も一番ボルテージが上がっていた大合唱は、「My Generation」と「Won't Get Fooled Again」、そして「Pinball Wizard」だった。フロアーのオーディエンスが一斉に拳を突き上げる様子は、胸に迫るものがある。ギターを弾くPeteの…その振り下ろす腕が、まるで会場の熱気を操る指揮棒のような感じだった。そしてRogerの歌声<本人曰くPeteの歌詞を表現する人間楽器>は、メロディに意味的な部分を加え、ステージとオーディエンスとの精神的な(魂のレベルでの)架け橋になっていた。

ライブは最初から最後まで、誰ひとり座る人はいなかった。The Whoも元気なら、オーディエンスも負けないぐらい元気だった。最後の挨拶でRogerが、「Be Lucky」と言った。yukieさんがリレー日記で書いてくれて知ったのだが、これはRogerの座右の銘らしい。それを先に知っていて、この言葉を聞けたのがとても嬉しかった。
ステージの最後で私がいつも思い出すのは…2002年のDallas公演のラストでPeteが言った「We'll never never never give up! (俺たちは終わらない!)」という言葉。あの時はJohnのこともあり、それがかえって「終わり」を意味しているように感じて悲しかった。しかし、今は違う。Peteが「また会おう!」と言えば、また会えるような気がする。

帰国するとすぐに、24年ぶりの新作をひっさげてのUSツアーが発表された。
彼らのエネルギーに負けないくらい、ずっとずっとこのバンドを愛し続けていきたいと思った。


最後に・・・。
今、4公演目のレポートを書きながら、あらためてMatt Kent(Peteのサイトの前ウェブマスター)の存在の大きさを感じている。
バンドがステージを終えてホテルに帰るのは深夜0時を回った頃。スタッフがベッドに入るのは朝の5時、6時だと聞く。ツアー中ずっとそのような生活が続けば、疲労も溜まっていくだろう。それでもMattは翌朝までにはセットリストと写真を載せてくれていた。しかも詳細なレポートを付けて。もし、すぐにアップできない時でも、「明日までにやるから」とのコメントを入れてくれていた。
もちろん、現ウェブマスターを責めるつもりはない。ウェブキャストのこともあり、仕事量は半端なく増えていることは想像に難くない。それでも、何か物足りなさを感じてしまう。ヴァーチャルなThe Whoはこんなにも身近になったのに、(たとえテキストベースでも)家族的な暖かいレポートが届かなくなったことに、寂しさを感じる。

MattのThe Who日記は、昨年のLIVE 8が最後となってしまった。そしてライブ前のセッティング時にBob Priddenとステージをウロウロする彼の姿ももう見ることができない。今はファンとしてバンドを見守っている・・・。
彼がここ数年間、バンドとファンのためにやってきてくれたことへ、感謝の意を表してレポートを締めくくりたい。

(2006/09/09 b-ko)


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