2005.07.02 LIVE 8

[Setlist]
Who Are You / Won't Get Fooled Again


LIVE 8が開催されることが発表になり、あっという間にチケットの抽選が始まり…。事はまるで全てずっと前から計画されていたかのように運ばれていった。出演者の噂は日に日にふくれあがり、Spice GirlsやPink Floydの再結成と並び、我らがThe Whoの名前も浮上した。そして、確定。今年はライブ活動がないだろうと踏んでいただけに、ちょっとした驚きだった。そうなると問題は、ドラマーとベーシスト。ZakはOasisとのツアー中。そしてPinoもJeff Beckと共に来日中。Ginger Bakerの息子が立候補したとか様々な噂が聞かれたが、2つの穴はいつまでたっても埋まらなかった。そして、本番の直前になって決定したとの情報をゲット。なんと…(今となってはあまり驚かないが)Wellerバンドからセットで借りることになったSteve Whiteと元Ocean Colour SceneのベーシストDamonだった。

6月中旬と下旬。その時期は仕事がとても忙しかったため、その後LIVE 8について特に情報収集もしなかった。そして、イベント前日。BBCなどのニュースで流れたリハーサルの様子やStingのインタビューなどを見て、一大イベントが近づいている事をやっと実感したのだった。テレビではどのニュースにもThe Whoの姿は映らなかったが、彼らもリハーサルを行った事は無事に確認できた。臨時編成のハンド。明日は一体どんなステージなるのだろうかと、疲れた体をベッドに沈めながら考えてた。ZakのいないThe Whoを生で見るのは初めてだ…。


チケット抽選にハズレていた私は、とりあえず会場の雰囲気だけは味わおう(または、会場に行けばどうにかなるだろう)という気持ちで、家の近くからバスに乗った。そして約15分後にHyde Park前に到着。14時から開始だが、12時には人が続々と公園内に呑まれていっていた。外フェンスにかけてあった「HAVE A GREAT DAY」の看板が、今日の素晴らしいイベントを予感させていた。

会場の入り口は、いくつかのゲートに分かれていた。その案内を読むと…「Stage Ticket」の他に「Screen Ticket」と書いてある。何の事か分からず、警備員に尋ねてみると、「巨大スクリーンを2カ所に設置していて、そこのエリアでライブを見るためのチケット」との事。しかし、こちらのチケットも通常のチケット同様に当日手に入れられるものではなかった。忙しさのため情報収集を怠っていた私は、通常チケットの抽選にハズレた時点ですっかり諦めてしまっており、スクリーンでライブを楽しめる事なんて露知らず…。しかし、どうにかしてスクリーン・エリアだけにでも入りたい!ゲート前で「余ったチケットください」とねばった末、とうとうゲット。無事に会場に入ることが出来た。


会場に入ると、すでに沢山の人がスクリーン前の芝生にシートを広げてくつろいでいた。中には折りたたみの椅子を持ってきている人も。脇には屋台が建ち並んでいたが、多くの人はスーパーの袋いっぱいに買い込んだ食料やクーラーボックスで飲み物を持ってきていた。考えても見れば夜までかかる長丁場、防寒着も食料も持ってきていない自分にちょっと不安がよぎった。持ってきたものと言えば、(緊急時に備えての)仕事の資料とペットボトルの水だけ。
とりあえず、スペースを確保する前に物販に足を運んだ。そこにはかなりの種類のTシャツ、パンフ、Bob Geldof関連の本 etc etc。あまり使えるお金もなかったので、資料用にとパンフを1冊買い、あとはホワイトリストバンドを買った。今回のイベントはこのキャンペーンと提携しているらしく、LIVE 8バージョンの袋に入っていて「MAKE POVERTY HISTORY」の言葉の他にLIVE 8のマークと「the long walk to justice」の印刷が入っていた。
パンフに並んだ首相達が着ている洋服は、カラフルなミリタリー。そう、The Beatlesの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』のパクリでデザインされたLIVE 8パンフ表紙のデザイナーは、本家本元のPeter Blakeによるもの。小泉首相はRingo Starr色…。そして、「彼ら」がオープニングに。そう、Paul McCartneyとU2と一緒にオープニングを飾ってくれたのは、The Beatlesっぽく扮したLonely Hearts Club Bandだった。McCartneyのエンターテイメントさが、垣間見られたステージだった。

1人でフェスにいることほど寂しいことはない。さらに時間は押して、The Whoはいつまでたっても出てこない…。お腹が空いても、なかなか場所を離れることができない…etc etc。色々なことがあったけれど、結局、ほとんど全部のステージを見た。その中でも、観客の反応と私個人の盛り上がりが良かったものをいくつか挙げると。
・ 開始前にLive AidのQueenの映像がスクリーンに映った時(イギリス人がいかに彼らを愛していたか!)
・ Paul McCartneyが歌い始めた瞬間(一大イベントが始まった!)
・ U2が歌っているときに、曇り空が開け、太陽の光がHyde Parkに差した(さすがU2)
・ ColdplayとAshcroftの共演で、オーディエンスが「Bitter Sweet Symphony」を大合唱(さすが、名曲!)
・ Pete DohertyとElton Johnが共演後、ステージでキス(すぐに明日の見出しを想像できた)
・ BeckhamがRobbie Williamsを紹介。そして「Angel」で再び大合唱(The Whoの前に、これは辛い…)
・ 再結成Pink Floydが「Wish You Were Here」を演奏(文字通り、今回の目玉)

さて、待ちに待って。1時間半以上押して、やっとThe Whoが出てきた。その前に、セッティング中にステージでトークをしていたコメディアンが、あまりに寒くて、Robbieで盛り上がった会場も、かなり冷めてきてしまっていた。そんな中、スクリーンに時々映るBob Priddenの仕事っぷりを見ると…。いつものライブ前の興奮がよみがえってきた。
そして、とうとうThe Whoが紹介された。そこでもコメディアン、すべりまくって…「Spice Girls!」と紹介!(LIVE 8で再結成の噂があったので、ウケを狙って言ったのだろうが…)。


なんだか雰囲気が違うのは、ドラマーとベーシストのためだということは分かっていても、それでも何かが納得いかない。1日のリハーサルでは、無理? 色々と余計なことが頭をよぎってしまう。しかし、SteveもDamonも頑張っている。当たり前だ、プロなんだもの。そして、今回、これがThe Who(PeteとRoger)が選んだ道(解決法?)なんだもの。私の横にいた女性がスクリーンにたくさん映るSteveの坊主頭を見てボソッと言った、「Zak Starkey?」。そうか、事前に情報が入ってなかった人達は、ステージに上がった彼らを見て、初めて今回のサポートメンバーを知ったんだ。そりゃ、ビックリするだろう。もし、私だったら動揺して、ライブに集中できなかっただろう。

予定では3曲演るはずだったThe Whoだが、時間が押していたため(もちろん後ろに控えていたPink Floydの時間をカットするわけにもいかないので)、たった2曲の演奏となってしまった。「Who Are You」と「Won't Get Fooled Again」。黙々と、しかし気合いを込めて全身全霊で演奏する2人。PeteとRoger。しかし、他のアーティストのように、ステージでイベント自体にもしくはオーディエンスに向かってコメントすることはなかった。曲の盛り上がりの余韻をすぐに消してしまうかのように、すぐに去っていってしまったその後ろ姿に、何か物足りなさを感じたというのは、正直な感想。

残念ながら、歴史的なイベントでの歴史的な名場面にはならなかった(と思う)。今回のスターは違うところにあったようだ。しかし、今年The Whoが活動したというのは、嬉しい事実。そして、大きなイベントになくてはならない存在であることも…。来年の再始動が待ち遠しい!


(2005/10/11 b-ko)


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